Windowsにデフォルトで設定されている環境変数の一覧と使用方法について解説します。
環境変数とは?
まず、環境変数(environment variable)とはどういうものか説明します。
環境変数はOS(Windows)で用意されている変数になります。
環境変数には以下の種類があります。
・システム環境変数:ユーザーに依存しない共通の変数
・ユーザ環境変数:ユーザーごとに設定されている変数
では、どのような変数が定義されているのかというと、端末名やアプリのインストール先が入っています。
環境変数について簡単に説明しました。事項で実際に定義されている環境変数を一覧化したので、そちらを見てみましょう。
環境変数一覧
OSのデフォルトで定義されている環境変数の一覧になります。
ユーザーなど環境に依存する部分については「<***>」のように表記しています。
また、環境変数は英字で定義されていますが、使用する際は「%」で囲う必要があります。
なので、一覧上はコピペしやすいように「%環境変数名%」と表記しています。
Windows10
Windows10のデフォルト環境変数です。
環境変数名 | 設定値 |
---|---|
%ALLUSERSPROFILE% | C:\ProgramData |
%APPDATA% | C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming |
%COMMONPROGRAMFILES% | C:\Program Files\Common Files |
%COMMONPROGRAMFILES(x86)% | C:\Program Files (x86)\Common Files |
%CommonProgramW6432% | C:\Program Files\Common Files |
%COMPUTERNAME% | <コンピューター名> |
%ComSpec% | C:\Windows\System32\cmd.exe |
%HOMEDRIVE% | C:\ |
%HOMEPATH% | \Users\<ユーザー名> |
%LOCALAPPDATA% | C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local |
%LOGONSERVER% | \\<ログインサーバー名> |
%Path% | <パスx;パスy;パスz;> |
%PATHEXT% | .COM;.EXE;.BAT;.CMD;.VBS;.VBE |
%PROGRAMDATA% | C:\ProgramData |
%PROGRAMFILES% | C:\Program Files |
%PROGRAMFILES(X86)% | C:\Program Files (x86) |
%ProgramW6432% | C:\Program Files |
%PROMPT% | $P$G |
%PSModulePath% | C:\WINDOWS\system32\WindowsPowerShell\v1.0\Modules |
%PUBLIC% | C:\Users\Public |
%SystemDrive% | C: |
%SystemRoot% | C:\Windows |
%TEMP% | C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Temp |
%TMP% | C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Temp |
%USERDOMAIN% | <ドメイン名> |
%USERNAME% | <ユーザー名> |
%USERPROFILE% | C:\Users\<ユーザー名> |
%windir% | C:\Windows |
使用方法とメリット
ここでは、環境変数を使うメリットと使い方を解説します。
環境変数を使用するメリット
これらの環境変数は、WindowsのバッチファイルやVBScript、もちろんPowerShellなどのプログラムに組み込むことが可能です。
環境変数として組み込むことで、下記のメリットがあります。
・システムが変更された場合でもプログラムの修正は不要
・環境に依存しないプログラムになる(作成したプログラムを他のPC、環境でも実行出来る)
使用方法(エクスプローラー)
環境変数はエクスプローラーやプログラムなど様々な場面で使用することが出来ます。
エクスプローラーで使用する例を見てみましょう。
まず、エクスプローラーのアドレスバー(画像赤枠)に「%PROGRAMFILES%」を入力して、Enterキーを押下します。
すると、環境変数「%PROGRAMFILES%」に設定されている値の「C:\Program Files」に移動されたことが確認出来ます。
使用方法(コマンドプロンプト)
コマンドプロンプトで使用する例です。
環境変数「%windir%」の値を取得してみます。
C:\>echo %windir% C:\WINDOWS
環境変数「%windir%」に対応した値「C:\WINDOWS」を取得することが出来ました。
このように簡単に取得出来ます。コマンドプロンプトで取得出来るので、バッチファイルなどにも同じ要領で組み込むことが出来ます。
記事は以上です。環境依存しないプログラムを作る際に参考にしてみて下さい。
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